気忙しくしているうちにいつの間にか平成は終わってしまって令和になってしまいました。しかも、はや1ヶ月も経とうとしています。
レコード集めしていてもう時代またぎでタイムリーなネタは提示できないのですが、せっかくなので昭和の即位関連のレコードをしばらく投下してみるつもりです。
今回は直近に手に入れたこのレコードから。
昭和天皇の即位の礼を記録したレコードとしては、このビクターの物とニッポノホンの物と、名古屋のツル・アサヒレコードの物と3種確認されています。
ビクターとニッポノホンは恐らく2枚組づつなのだと思いますが、ツル・アサヒレコードの物は過去にネット・オークションで見かけた物でも2枚以上の力の入った物でした。
今回はこの昭和天皇が即位すべく東京より到着した京都駅での実況を収めた物となります。
1977年(昭和52年)のNHK特集『昭和の誕生』では発見された陸軍陸地測量部が撮影した映像に、これらの音源が宛がわれた物が使われていました。恐らく門外不出だった即位の礼の映像と音源が合体されてテレビなどで使用された最も古い例だと思います。
この番組の中で、既に老齢となった中村茂アナウンサー(二・二六事件の「兵に告ぐ」の放送・音源で著名)にこの『京都駅御発輦』の音源を聴かせ「京都駅の実況担当は貴方ですが(この声は貴方ですが)、この時の事を覚えてますか?」とディレクータがインタビューするシーンがある。しかし、当の本人は「???」と既に記憶していないようでした。。
幾らなんでも、と思ったが50年も前の仕事を覚えているかと言えば、即位の礼で気忙しくした記憶はあるがハテネ、ぐらいの感覚なのかもしれません。
これらの録音は放送開始当初に使われていた10-A型ディクタフォンにて記録された物をダビングした物とされています。放送博物館のサイトには「1929年」とあり、記録と合致しないのが不可解ですが、音の質感から言えばマスターはやはり蝋管式のディクタフォンに記録された物のように思えます。蒸気機関車の汽笛の音がとても生々しく記録されているのがこのレコードの聴きどころでしょう。
録音技術と録音物の商品価値の黎明期、果たしてこのような「ただ単に編集もなく記録しただけ」の記念レコードも、稀に見かけるだけあって当時の人々は記念にと購入したのかもしれませんね。
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